単身赴任の帰省頻度は月1回が目安?距離・費用別の決め方と実態
単身赴任の帰省頻度は、会社の帰宅旅費(帰省手当)の支給が「月1回」の企業が多いため、月1回が一つの目安になります。
ただし、実際の頻度は「自宅までの距離」「自己負担できる費用」「家族の状況」の3つで決まり、近距離なら隔週〜毎週、飛行機距離なら月1回〜隔月とばらつきます。
この記事では、帰省頻度の実態データ、自分に合った頻度の決め方、頻度別の費用と負担の比較、そして帰省回数を増やせないときの家族関係のケアまで解説します。
単身赴任の帰省頻度、みんなはどれくらい?
会社の制度は「月1回」が多数派
アート引越センターの0123引越文化研究所が単身赴任者を対象に行った調査では、勤務先に定期的な帰宅制度がある場合、その頻度は「月1回」が72%、「月2回」が22%、「月3回以上」が6%でした。
会社の経費(帰宅旅費)で帰れるのは月1回、というのが制度面の多数派です。
https://www.the0123.com/kenkyu/vol8.html(アート引越センター:No.8 単身赴任レポート vol.1-(1))

ただし、帰宅旅費の支給回数・上限額は会社の規程によって大きく異なるため、まず自社の就業規則・赴任規程を確認してください。
実際の帰省は「制度より多い」人が半数近く
同じ調査では、制度上の支給は月1回でも、実際には46%の人が隔週以上のペースで自宅に帰っていました。
首都圏近郊から首都圏への赴任のように、新幹線や高速道路で2〜3時間以内に帰れるケースでは、自腹を足してでも頻度を上げる人が多いことを示しています。
帰省頻度は「距離×費用×家族の状況」で決める

基準1:距離(ドアtoドアの片道時間)
| 片道時間 | 現実的な頻度の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 〜2時間 | 毎週〜隔週 | 金曜夜に帰って日曜夜に戻れる。移動疲れが小さい |
| 2〜4時間 | 隔週〜月1回 | 往復で週末の1/6〜1/4が移動に消える。毎週は体力的に厳しい |
| 4時間超・飛行機距離 | 月1回〜隔月 | 移動だけで半日。費用も1回2〜5万円級になり、回数より1回の滞在を長くする方が合理的 |
片道3時間なら往復6時間。
週末48時間のうち6時間を毎週移動に使えるかが、毎週帰省の分かれ目です。
基準2:費用(自己負担額で上限が決まる)
東京—大阪間を新幹線で往復する場合、1回あたり約3万円が目安です(2026年7月時点の通常期指定席の概算)。
頻度別に月額・年額を試算すると次のようになります。
| 頻度 | 月の帰省費 | 年間 | 会社支給が月1回分ある場合の自己負担(年) |
|---|---|---|---|
| 毎週(月4回) | 約12万円 | 約144万円 | 約108万円 |
| 隔週(月2回) | 約6万円 | 約72万円 | 約36万円 |
| 月1回 | 約3万円 | 約36万円 | ほぼ0円 |
| 隔月 | 約1.5万円 | 約18万円 | 0円(支給が回数消化型なら余る分は規程次第) |
※金額は交通費のみの概算モデル。距離・時期・予約方法で大きく変わります。
隔週帰省を1年続けると、会社支給があっても自己負担が数十万円規模になります。
単身赴任は住居費・生活費の二重化だけでも家計が重くなるため、帰省費も特別扱いせずに生活費全体の中で予算化するのが現実的です。
単身赴任の生活費についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

基準3:家族の状況(頻度を上げるべきサイン)
次のような状況では、費用が多少かさんでも頻度を上げる(または後述の逆帰省を使う)価値があります。
- 子どもが乳幼児〜小学校低学年:
- 父親の記憶・関係性が作られる時期。間隔が空くほど再会時に距離ができやすい
- 妻がワンオペで限界に近い:
- 家事・育児の負担が一人に集中している場合、帰省は「休養の交代要員」の意味を持つ。妻側の負担については「単身赴任の妻のワンオペがしんどいときの対処法」で詳しく扱っています
- 親の介護や子どもの受験など、家族側にイベントがある時期
- 夫婦のどちらかが「会わない期間」に強いストレスを感じるタイプ
逆に、子どもが中高生で部活中心の生活だったり、家族側の生活リズムが確立していたりする場合は、無理に毎週帰るより月1回+日常の通話の方が家族の負担が小さいこともあります。
会社の帰宅旅費・単身赴任手当を最初に確認する
帰省頻度を決める前に、会社の規程で次の3点を確認してください。

- 帰宅旅費の支給回数(月1回か、年間◯回か、実費上限か)
- 支給方法(実費精算か、手当として定額か)と対象交通機関(新幹線・飛行機の可否)
- 未消化分の扱い(翌月繰越の可否、家族が赴任先に来る費用への充当可否)
なお、単身赴任者の帰宅旅費には税務上の取り扱いのルールがあり、支給方法によって課税・非課税の扱いが変わる場合があります。詳細は会社の人事・経理部門に確認してください。
頻度別のメリット・デメリット比較

| 頻度 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 毎週 | 家族の日常に参加し続けられる。単身生活の乱れも防ぎやすい | 費用最大。移動疲れが蓄積し平日の仕事に影響。赴任先での生活が「仮住まい」化 | 片道2時間以内・子どもが小さい・費用に余裕がある |
| 隔週 | 家族との接点と自分の休養を両立しやすい | 年間の自己負担が数十万円規模になりがち | 片道2〜3時間・ワンオペ負荷が高い家庭 |
| 月1回 | 会社支給内に収まりやすく家計負担が最小。1回の滞在を大切にできる | 子どもの変化を見逃しやすい。夫婦の会話が事務連絡化しやすい | 中〜遠距離・家族の生活が安定している |
| 隔月以下 | 費用・体力の負担が最小 | 家族との心理的距離が開くリスクが最も大きい。日常的な連絡の仕組みが必須 | 飛行機距離・繁忙期の一時的な選択 |
どの頻度にも共通する注意点は、帰る回数そのものより帰らない期間の連絡の質が家族関係に効くことです。
頻度を落とす場合は、次の章の代替策をセットにしてください。
回数を増やせないなら1回の質と帰らない週の接点を上げる

連休に寄せて滞在を長くする
2日間の帰省を月2回するより、祝日や有休を組み合わせて3〜4日の帰省を月1回にする方が、交通費も移動疲れも抑えながら家族との時間の総量を増やせます。
金曜半休+月曜有休で4連休化できれば、月1回でも一緒に過ごす感覚を作れます。
逆帰省(家族に来てもらう)を混ぜる
学校の長期休みには、家族が赴任先に来る「逆帰省」も選択肢です。
子どもにとっては旅行になり、父親の生活を見ることで単身赴任への理解も進みます。
会社によっては家族の来訪費用に帰宅旅費を充当できる場合があるため、規程を確認してください。
帰らない週はビデオ通話を「予定」にする
思いついたときに電話するのではなく、「日曜20時は家族とビデオ通話」のように固定の予定にすると、間隔が空いても心理的距離が開きにくくなります。
子どもとは通話よりもゲームの協力プレイや写真共有アプリの方が続きやすい場合もあります。
日常の寂しさへの対処は「単身赴任が寂しい夫の乗り越え方」で詳しく解説しています。
帰省費用を下げて頻度を維持する
- 新幹線:早期予約割引(EX早特など)で1〜3割安くなる場合がある
- 飛行機:LCC・早期購入割引・株主優待。曜日と時間帯をずらすだけでも差が出る
- 高速バス:最安だが体力消耗が大きく、40〜50代の毎週利用には不向き
- ポイント・マイル:出張が多い人は交通系ポイントを帰省費に集約する
帰省しない週末を消耗しない時間にする
帰省頻度を落とすと、赴任先で一人の週末が増えます。
この時間の過ごし方が荒れると、生活リズムと食生活が崩れ、帰省時のコンディションにも響きます。
一人の週末の過ごし方は「単身赴任の休日の過ごし方」を参考にしてください。
また、「帰りたいのに帰れない」状態が続いてつらい場合は、頻度の工夫だけでは解決しないこともあります。
単身赴任そのものを見直す選択肢については「単身赴任をやめたい・帰りたいときの考え方」で扱っています。
FAQ:単身赴任の帰省頻度でよくある質問
Q. 帰省が月1回なのは少ないですか?
A.少なくありません。会社の帰宅旅費の支給は月1回とする企業が多く、月1回は制度面の標準的な水準です。
重要なのは回数そのものより、帰省しない期間の連絡の質と、1回あたりの滞在の充実度です。距離と費用に無理のない頻度を家族と合意しておけば、月1回でも関係は維持できます。
Q. 毎週帰るのは無理がありますか?
A.片道2時間以内なら毎週帰省している人も珍しくありません。
一方で片道3時間を超えると、往復6時間の移動が毎週の疲労として蓄積し、費用も月10万円規模になります。毎週にこだわるより、隔週+固定のビデオ通話の組み合わせの方が長続きするケースが多いです。
Q. 帰省の交通費は会社からどれくらい出ますか?
A. 月1回分の帰宅旅費を支給する会社が多いとされますが、回数・上限額・対象交通機関は会社の規程によって大きく異なります。
年間回数でまとめて支給する会社や、家族の来訪費用に使える会社もあります。まず就業規則・赴任規程を確認し、不明点は人事部門に問い合わせてください。
Q. 帰省頻度が低いと夫婦仲は悪くなりますか?
A.頻度の低さがそのまま不仲につながるわけではなく、「帰らない期間に連絡が事務連絡だけになること」がリスクを高めます。
定期的なビデオ通話を予定として固定し、帰省時は家事・育児を交代して妻の休養時間を作ると、頻度が低くても関係を保ちやすくなります。妻側の負担のケアはこちらの記事で詳しく解説しています。
Q. 子どもが小さい場合、どれくらいの頻度で帰るべきですか?
A.乳幼児期は親子関係の土台が作られる時期のため、可能な範囲で頻度を優先する価値があります。隔週以上が難しい距離なら、毎日の短いビデオ通話(顔を見せる習慣)と、長期休みの逆帰省を組み合わせてください。
夫婦で優先順位を話し合って決めることが一番のリスク回避になります。
まとめ:帰省頻度に「みんなの正解」はない。3基準で自分の頻度を決める
- 会社の帰宅旅費は月1回支給が多数派。まず自社規程の回数・上限・使い道を確認する
- 頻度は「距離(片道時間)×費用(自己負担の上限)×家族の状況」で決める。毎週=片道2時間以内が現実ライン
- 隔週以上は年間数十万円の自己負担になりやすい。帰省費は生活費全体の中で予算化する
- 回数を増やせないなら、連休寄せ・逆帰省・固定ビデオ通話で「1回の質」と「帰らない週の接点」を上げる
帰省費を無理なく確保するには、毎月の生活費のどこに削りしろがあるかを知るのが近道です。
実例ベースの内訳と見直しの優先順位を「単身赴任の生活費内訳実例」で確認してください。


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